気がついたら最終更新から1ヶ月も経っているのに気づいて逆にパソコン怖くてひらけていなかったTABIKODOMOです。
インドを抜けて中央アジアにはいり、トルクメニスタンから入国拒否をくらいながらもあれよあれよとスタン系を練り歩き、気がつけば現在はジョージア・トビリシでだらだらと過ごしています。ごはんうまし。ワインうまし。
さて、ブログではまだまだネパール。今回は「ポカラまで行く時間はない」「何日もかけてトレッキングするほど体力に自信はない」という人におすすめしたい【1泊2日でちゃっかりヒマラヤ拝んじゃおう】なナガルコットハイキングの話。
おいしいとこどりナガルコット
ヒマラヤの山々を拝むために世界中から登山をしに人があつまるネパール。しかしわたし正直山登りなぞしたことないに等しい(富士山でさえ未だ登れておらず)し、装備だってサンダルしかもっていない。
ましてやテントも持っているわけないし、バックパック担いだまま何日もかけてトレッキングするなんて、やってみたいと思いつつもまず物を揃える体力すらない。
というわけでトライしたのが今回のナガルコットハイキング。別名ナガルコット大作戦。
首都カトマンドゥからバスで1.5時間の町「Changu narayan」まで行き、そこからナガルコットの山の上にあるホテルに向かっておよそ6時間歩く。
道はほぼ舗装されているし、1泊2日ならなんなら着替えもほぼいらない。(これは人による)
登ったらホテルで美味しいビールとカレーを食べて、次の日は朝日に染まるヒマラヤの山々を拝み、山を下り歴史ある町バクタプルを散策して帰る、というまさにおいしいとこどりコースだ。
憎めない弟キャラガイド
ネパール在住でお世話になっているMさんも一緒に、このナガルコット大作戦に挑むことに。できるだけ安くいきたいわたしはMさんに山岳ガイドをやっているというP氏を紹介してもらった。
さすがネパリー。分厚さ満点のおもてなし精神で、当日を迎えるまでに「飲みながらナガルコット大作戦について話さないか」「いま時間あったら家に遊びにいっていいか」なんていう暖かい心を見せてくれながら、するりとそれを抜けて、初対面の当日の朝。
ばっちばちにツイストパーマをキメたP氏がやってきた。しかももうひとり、イギリス人のA氏を連れて。(誰)
話を聞けば、昨日会って興味があったから連れてきちゃった、とのこと。こういう突然の出会いはいつも楽しいしウェルカムだ。
このP氏が実に陽気で、やはりプロの山岳ガイドやヘリ操縦もこなすデキる男だったため、持っている山や動物、植物についての知識はすごく聞いていておもしろかったし、ツイストパーマなだけあってイケイケでおもしろい。
非常に弟キャラ爆発で、自身の行き帰りの交通費やおやつ、食事、ホテル宿泊費さえもさらりと我々負担にしてきたあたりも、もはやさすがとしか言いようがない。
塩っぱいチョーメンを腹にいれて
ホテルまでの道のりはおよそ6時間。辿り着くまでの道はのどか以外のなにものでもなく、時間の流れがほぼないくらいの棚田の間の舗装路を、歌いながら、踊りながら、キャハキャハと話しながら登っていく。
登り始めだけ未舗装の山の中を歩いてしっかり乾燥した砂の道を歩いたので、わたしのサンダル足はもうぐちゃぐちゃなのだけれど。
週に何人の人が訪れていくらの収入なのだろう、と心配になるくらい人が来なさそうな、頼んでから鶏絞めていそうな(←イメージ)レストランで、のんびりした棚田をみながらランチ。
数時間のぼって汗ばんだ身体にしみるコーラと、びっくりするくらい塩っぱいチョーメン(焼きそば)。
食べれば食べるほど喉がかわいていくシステムだったけれど、腹ペコの胃に全部しまいこんで再び歩き出す。
極端なシャワー
着く直前で遠くに夕陽が沈んでいく。沈んだら街灯もないその道は真っ暗で、断崖絶壁に建てられたホテルの外階段をくだるにも一苦労。加えて坂道6時間あるくなんて慣れてないことをしたためにMさんの脚はだいぶパンパンのよう。
さっそく疲れた身体をあついシャワーで癒そうとするも、シャワーヘッドはついているのにひねる取手がない。(なぜ)下の蛇口はでるものの、殺人的な熱さでおそらくこれであびたら全身ただれる。
ホテルの人に頼んで取手をもってきてもらうも、(そもそも取手だけが別に存在するとは一体)形が合わずやはりシャワーヘッドからでない。
これはいけないとホテルの人が部屋を変えてくれた。
そしたら今度はほぼ水に等しいぬるま湯しかでない
なぜ。
と疑問抱きつつも、もうえいやと、そのぬるま湯で身体を冷やしながら身体を洗った。
焚き火で乾杯
すっかり冷えてしまった身体に持っている全ての防寒着を着込み、食事をとる。たくさん歩いた後のビールは最高以外のなにでもなく、頼んだカレーがとにかくうまい。
外に焚き火を見つけて、そこにいたジブラルタル出身の女の子2人組も一緒に、また乾杯をする。
火は見つめているだけで落ち着くし、なんだか不思議な一体感みたいなものが生まれてすごく好きで、陽気なジブラルタルちゃんたちの話がとにかくおもしろくて、
湿気のせいでものすごい煙のでる薪に目とのどをやられながらも、風がふいて全然あたたかくない焚き火の前で、深夜までお酒を飲んだ。
朝日と共に
日が昇るのは6:30と聞かされていたのに、起きてみたらものすごく霧が濃くてそれどころではない。
持ち前の「絶景を前に条件揃わず見れない運」の強さをここでも発揮するか…と悲しくなりつつも、もう一度布団にはいり完全に日が昇りきる頃にはすこし霧がはれて、遠くに圧巻のヒマラヤの山々を拝むことができた。
歩いてきた山とははるかに違う山。もはや高すぎて浮いているようにさえ見える。
旅を続けていたらいつかわたしもあの山の一つに昇る日がくるのだろうか、なんて思いながら、朝食のチア(チャイ=紅茶)をすする。
ジブラルタルちゃんたちにお別れをつげて、帰りはヒッチハイクをして行きに6時間かかった道のりをわずか1時間程度でおりてきた。
歴史の町・バクタプル
麓の町は、かつての王宮があったという古都バクタプル。レンガ造りの町に、陶器職人や金物職人なんかがたくさん住んでいて、歩いて回るのに飽きなそうな町だ。
2015年のネパールの地震の爪痕がいまでも残っているのが歩いていてよくわかったし、その崩れたレンガを何食わぬ顔で乗り越え歩いていく地元民に、これはまだまだ完全復興とはいろんな意味でいかないんだろうなとも思う。
地元民であふれるモモ屋でおやつがてらモモを食べたり、これまた老舗感あふれる喫茶店(とよべるのかすら怪しい)でラッシーを食べたり、イギリス人A氏が曼荼羅の絵画を600ドルでポンっと迷いなく購入する姿に驚きながら、カトマンドゥへ戻ってきた。
しっかり風邪をひく
土でぐちゃぐちゃになって焚き火でものすごいスモーキーな香りのする服を洗濯させてもらい、あーー楽しかった!と落ち着く。
それでやっぱり認めざるを得ない。超風邪を引いている。
原因は明快。①山の上は寒いのにあのほぼ水シャワー②焚き火の煙を全面にあびまくる③あたたかくない焚き火で身体極冷え
それでもこの日はネパール最後の日なので、薬を体にぶち込んで再びMさんとナイトアウトへ。
鼻水ずびずびで帰宅して次の日おきたら、熱は(たぶん)ないものの圧倒的風邪すぎてこれから飛ぶインドがもう思いやられる。
それでも、朝食でまさかの明太子ごはんをごちそうになり、パワーを蓄えてインド・デリーへと向かうのであった。
ラブ・明太子